それ故、面をかけた首に個人的な曲り癖、寝癖、くっせ〜
それ故、面をかけた首に個人的な曲り癖が見えたり、上体のぐらつきが見えたり、ほんの心持だけでも故なく旁視したりする気はひが見えたりすると甚だをかしいといふことである。
さうであらうと想像される。
それほど厳重な造型であるだけに、逆に、天冠の纓絡などがきらきらと細かく揺れ動いてゐるやうな時、その美しさ、きらびやかさはまさに天上のものとなり、又怨霊などの黒頭の毛がふわふわと自然にゆれ動くのが何ともいへず気味わるく、凄く目にうつる。
自然に動いてゐるものの方が、能では一種別様な世界のものに見えてくる。